たぶんこれが最もレアなオフィシャル盤 [西ドイツ盤]
2014年夏、新宿の中古CDショップのロックコーナーが充実 [西ドイツ盤]
コンパクトディスクが発売され、誰もがCDプレーヤーを持つようになってはや30年。 最近ここにきて、最初期プレスCDが評価されているのか、欲しい・集めたいと思った人が増えてきているのか、価値が上がってきている。 そんな折、新宿の中古CDショップの棚には、珍しい初期盤が売られ始めている。 それもどこの国のプレスか、ディスクの形状はどうなっているか、などプライスカードに細かく記載されている。 ちょっとびっくりしました。 ・・やっと、CDを細かく評価するようになったのだなぁと感じています。
いつの時代もそうだが、新しいメディアが出てくると少し前のメディアに固執したり、再評価されることは往々にしてあるもので、昨今、音楽再生はハイレゾたる言葉が巷では叫ばれ始めている。 「もうCDの時代じゃないよね。ダウンロードして音楽を取り込んだり、配信されたものを楽しむそんな時代。それもCDより高音質なハイレゾっていうデータで!?」
なるほどって言いたいところだが、ちょっと待ってください。 1999年に発売されたSACDって今で言うハイレゾなんじゃないの。 DVD-Audioだってそう。 ところがこれらがあまり普及していない。
今回は、30年以上たった最初期プレスのCDのなぞに迫ってみたい。 当時は日本と西ドイツでしかCDを作ることができなかった。 あわせてCDのマーケットは欧米と日本がほとんどでそれらの国に日本(ソニー)と西ドイツ(ポリグラム)からCDが供給された。 レーベルによっては日本の企業なのにわざわざ西ドイツのプレスを販売していたレーベルも多い。
同じタイトルでも日本プレスは日本とアメリカへ出荷。 西ドイツプレスはヨーロッパとアメリカへ出荷。 日本へはアメリカ仕様、ヨーロッパ仕様が混在して売られたというケースがほとんどのようだ。
最近は海外で日本プレスが貴重がられ、日本では西ドイツプレスがまたは海外へ出荷された日本プレスが貴重がられている。 1987年レコードとCDの世界売り上げ比率が逆転したことで、全世界にTHE BEATLESのアルバムが出荷されたといわれているが、アメリカで発売されたロングボックスの裏には日本、西ドイツ、カナダ、アメリカという4種類のディスクがきちっと表記されて売られていたらしい。 さすがにそのときは本国UK盤というのはまだ無かったようだ。
ここに紹介するCDはもっと古いもので、1983年CDが売られ始めた時期にリリースされたものです。
1983年リリースのThe Rolling StonesのUnder Coverです。 これは日本でプレスされヨーロッパと日本に出荷されたようです。 東芝からソニーに移籍する直前のタイトルだと推測されます。 よって、ディスクのデザインはEMIでTHE BEATLESと同じで、ダブルラインです。 本来ならSONYデザインで無ければならないのに。 ちなみにジャケット表のデザインも普通のものと異なっており、非常に興味深い。 同じタイトルを持っていたらぜひ見比べて欲しい。
もう1枚のものも、やはりCDの最初期1982年に発売されたものをすぐにCDにして発売したようです。 こちらは西ドイツでプレスされアメリカでしか売られなかったように推測されます。 ディスクの下にBY POLYGRAMと記載があります。 やはりSONYデザインではなく通称TARGETデザインになっています。 ROLLING STONES RECORDSではありえないデザインです。
1982年~1989年までの時期は、同じ時期に発売され違ったデザインの盤面のCDが多く存在しており、初期盤を集める人には本当に楽しめる魅力的な時期です。 ちなみに日本盤は帯の形状がいろいろ出てきた時期ですから楽しいですよね。 シール帯、箱帯、巻き込み帯、糊付け帯・・どれも製造ラインでシュリンクしやすいように工夫された結果です。
本当はこちらが最初に発売されました [西ドイツ盤]
まぁ、そんなことは音楽評論家が1970年代にたくさんコメントを記述しました。
ここでは、楽曲の内容はさておき、CDのプレス時期の話によりたいと思います。 まずは、このブログで最初に紹介した西ドイツ盤です。 ターゲット盤と世界では言われていますが、その呼び名はディスク面のデザインに起因するものでした。
日本のマーケットにもこのディスクは出回りました。 日本盤と思って買ったのにこのディスクが入っていたのもCDの初期。 プレス工場が少なかった頃です。 そして、この時期、アメリカでは、西ドイツ盤は、少し違ったデザインの盤面のものが出回っていました。
ここでは西ドイツプレスを中心に紹介していますが、やっぱりPDOプレスは、非常に珍しいCDです。 そしてPDOは世界で最初のプレスの可能性が高いです。 したがって、世界中のコレクターが欲しがるディスクの1枚です。・・・本当?
まぁまぁ・・・
日本では販売されなかったと思われるCDをこれからも紹介したいと思います。
印刷ミスかそれとも音質アップを図ったのか [西ドイツ盤]
どちらも西ドイツ印刷のものです。上は主にヨーロッパ、下はアメリカマーケットに出荷されたようです。
次にディスクを2種類掲載します。 西ドイツ盤と非常に珍しい、もしかするとエラー盤かもしれないスイス盤です。
西ドイツ盤とスイス盤は、基本的なデザインは同じなのですが、なぜかスイス盤は、赤インクの部分がまったく印刷されていません。 アトランティックマークもなく、印刷ミスを思わせます。
1980年代後期、CDの高音質再生が意識されるようになった頃、赤インクはCDの音質を下げるといわれていました。逆に緑色は音質が上がるとも言われていました。 これは、色によってレーザー光に影響を与えるという理論でした。 赤インクは、鉄分が多いためレーザー光に悪い影響を与えるとのことでした。 同じディスクでも円周に沿って赤や緑が塗られていると音質が違った印象を受けました。 CD専用緑色のマジックや緑色のリングがオーディオアクセサリーとして発売されていました。
最期に、
当時は、レコード購入特典用オフィシャルポスターがいろいろありました。 IN THROUGH THE OUT DOOR では「1977年のステージポスター2種」がありました。
1979年夏、レコードが発売される際に、事前予約した人がもらうことができた特典を掲載します。 ITTODの便箋です。きちんと紙袋に入っていました。
デビュー50年にはまだ早いけど・・ [西ドイツ盤]
確かビートルズが先にデビューしたはず。
ビートルズのデビュー曲の LOVE ME DO は1962年10月、ストーンズのデビュー曲 COME ON は1963年6月です。 そして、ストーンズのシングル第2弾はリンゴスターの歌った「I WANNA BE YOUR MAN:彼氏になりたい」でした。 Lennon-McCartney の曲をプレゼントしてもらいヒットした事実は有名ですが、これは1963年11月のことです。 今回は、THE ROLLING STONES のファーストアルバムを紹介します。
フロントジャケットには何も文字が記載されていません。 5人が三角形に並んでいるところが、なんとなくこだわっていてかっこいいです。 このアルバムには、オリジナル曲は3曲しか収録されてなく、それ以外はカバー曲ですが、シングルでヒットした曲はアルバムに入れないというイギリス的編集になっています。 全12曲の中で TELL ME にのみ Jagger-Richards のクレジットがあります。 特筆すべきは、Nanker Phelge のクレジットですが、これは5人のセッションから生まれた曲にクレジットされ、1965年までは、見受けられます。 I WANNA BE YOUR MAN のB面 STONED が最初の Phelge 曲だったと思います。
LONDON シリーズの CD は MOBILE FIDELITY のリマスター音源を使用しています。 実は、このファーストアルバムは、1983年が最初の CD で、その時はアナログマスターからそのまま収録されていました。